政府与党が20日に発表した「令和7年度税制改正大綱」について、各業界団体のトップから、以下の通りコメントが発表された。
(一社)不動産協会理事長 吉田淳一氏
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会(全日)理事長 中村裕昌氏
(一社)不動産流通経営協会(FRK)理事長 太田陽一氏
(一社)不動産証券化協会(ARES)会長 菰田正信氏
(一社)日本ビルヂング協会連合会 会長 木村惠司氏
本日決定された「令和7年度税制改正大綱」では、最重点要望と位置付けていた子育て世帯等に対する住宅ローン減税の借入限度額に係る措置等が1年延長されることとなった。住宅価格の上昇や物価高騰等の影響により子育て世帯等の住宅取得環境が極めて厳しい状況にある中、住宅取得に係る負担を軽減し、若い世代に安心と将来に対する希望を与えるとともに、経済波及効果の高い住宅投資を活性化させる措置が講じられたものと、評価している。
また、市街地再開発事業の権利床に係る固定資産税の特例やJリート等の登録免許税及び不動産取得税の特例をはじめとする、都市、住宅、土地等に係る政策の推進等に不可欠な税制についても延長等が認められたことを評価している。
ご尽力頂いた関係各位に対して、厚く御礼申し上げたい。
今回の税制改正を踏まえ、当協会としても、引き続き、国民の暮らしを豊かにする魅力的なまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に貢献して参りたい。
(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)会長 坂本 久氏
近年の物価、建築資材の高騰や全国的な地価上昇に加えて、日銀の金融政策の変更による金利上昇で、住宅購入者はマイホーム実現が厳しい状況にある。
住宅ローン控除は子育て世帯等の住宅の環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置及び床面積要件の緩和特例(40平方メートル)が昨年末の税制改正大綱で令和6年末まで措置されたことから、本会ではこれらの特例措置の延長を要望した。
今回の税制改正は10月の衆院総選挙により、連立政権が少数与党となり、他党との政策、税制協議等を踏まえた税制改正大綱の策定となった。そうした中で、子育て世帯等のマイホーム購入に向けた税制措置が図られたことは評価したい。
令和8年度税制改正は、このたびの税制改正の最大の焦点となった住宅ローン控除がリセットされる。資材、地価、金利の3点が上昇傾向にある中で、あるべき住宅ローン減税制度の検討を踏まえながら、住宅購入者の期待に応えて参りたい。さらに来年度は、本会が創設に尽力した低未利用地の100万円特別控除の適用期限延長をはじめ、空き家解消のための各種税制措置などが実現するよう要望していく。
本会では、税制改正の成果を活かしつつ、不動産取引、特に空き家を含む既存住宅市場の活性化に取り組んで参りたい。
政治的判断を要するとして、いわゆる「マル政」扱いとされていた住宅ローン減税の子育て支援特例及び既存住宅の子育て対応リフォーム減税について1年間適用期限の延長が図られる見通しとなったことをはじめ、本会から要望していた各種不動産税制にかかる特例措置の適用期限が延長されるはこびとなり、まずは安堵している。
足元では日銀による追加利上げが実施される観測が高まっているなど、「金利ある世界」において消費者の住宅取得意欲を考える上で、こうした減税措置が図られる効果は少なくない。
本会では来年4月に開幕する大阪・関西万博への出展を予定しており、これに際してウェルビーイングな住まいや地域コミュニティのあり方、そしてその中で我々宅地建物取引業者が果たすべき役割について取りまとめた研究報告書『ミライREBORNスマイビジョン』を発表する所存である。
多くの政治課題が渦巻く中、大綱のとりまとめに奔走された政府、与党の関係各位に感謝を申し上げたい。
今回の税制改正大綱では、子育て支援に関する政策税制として今年度限りの特例措置として導入された「子育て世帯に対する住宅ローン控除の借入限度額の拡充」措置が更に1年延長され、あわせて新築住宅の最低床面積の緩和特例や「子育て世帯等に対する住宅リフォーム税制の拡充」措置も延長された。
これらの措置が、住まいの質の向上のみならず、Z世代をはじめとする若者世代、子育て夫婦世帯などによるライフスタイル、ライフステージに応じた住宅の取得や住み替えの活性化に寄与することを強く期待している。
今後は新築住宅と既存住宅が互いに補完し合いながら厚みのある住宅流通市場を形成する住宅循環システムの構築に向けて、新築・既存住宅を税制上同列に扱うイコールフッティングの観点から床面積要件を含めた税制措置の整備が図られるよう引き続き取り組みを進めてまいりたい。
Jリートに代表される不動産投資・証券化市場は、国内外の投資家に優良な不動産への投資機会を提供するとともに、不動産と金融を繋ぐ資金循環機能を通じて都市の再生と地域の活性化を推進し、我が国経済の成長や雇用の拡大に重要な役割を果たしてきた。
令和7年度税制改正大綱では、当協会が要望した「投資法人、特定目的会社及び特例事業者等が不動産を取得する場合における登録免許税・不動産取得税の軽減措置の延長」が認められた。
本措置は、継続する物価高や国際情勢の不安定化等により先行き不透明感が高まる中で、我が国の不動産投資市場を活性化し、民間資金等の活用を通じた内需拡大や都市機能の向上・地方創生に寄与するものであることから、高く評価したい。
ご尽力いただいた関係者の方々に深く感謝を申しあげる。
当協会としても引き続き、市場の健全な発展を通じて、成長型経済の実現に貢献するべく、一層の使命感を持って取り組む所存である。
令和7年度税制改正大綱において市街地再開発事業や不動産証券化に関する税制など、当連合会が要望していた税制上の特例措置が延長されたことを評価したい。
当連合会としては、今回の税制改正も踏まえ、良質なオフィスビル環境の提供を通じ、引き続き、我が国経済の成長力・国際競争力の維持・向上に貢献するとともに、都市再生と地方創生の推進に寄与してまいる考えである。