(株)中日新聞社主催、(株)ボルテックス協賛による企業経営者向け財務戦略セミナーが28日、ヒルトン名古屋(名古屋市中区)で行なわれ、90名が参加した。「VUCA時代に成長する経営の新常識」をテーマに、企業の持続的成長に必要な投資&資金調達戦略、財務戦略等について提案した。
セミナーでは、企業の財務体質改善支援等を手掛ける(株)船井総合研究所財務支援部マネージング・ディレクターの石田武裕氏が登壇。同社が掲げる「サステナグロース(持続的成長)カンパニー」に向けた投資・資金調達戦略について語った。同氏は「持続的成長には第一本業プラスアルファの新規事業参入が不可欠」とした上で、「異業種への参入は市場調査や計画策定、人材採用、資金調達が障壁となるが、それらをクリアしやすいのが不動産投資ビジネス。多くの企業がコロナにより本業の利益が減少する中、不動産賃料収入で利益を確保している。資金力を高められれば不動産保有戦略は異業種参入の最適解」と訴えた。
また新規事業参入に当たっては金融機関に自らのビジネスを知ってもらう必要があるとし「金融機関に対話と書面で積極的に情報開示し、銀行にビジネスモデルやその計画を能動的に伝えるべき」とした。
続いて「区分所有オフィス」を主軸に企業の資産形成コンサルティングビジネスを展開するボルテックス代表取締役社長兼CEOの宮沢文彦氏が登壇。同氏は同社が提唱する「100年企業」を目指すには「リスクに備える強い財務戦略が必要」とし「本業に連動しない収益、売却が可能な資産を持つことが事業継続性を向上させる」とした。特に創業100年を超える長寿企業には「貸事務所業」が多く、その事業継続性は突出しているとした。
同氏は、同じ不動産でも資産価値が高いものは東京都心部にあるオフィスと指摘。「永続的に供給が困難であるほど希少性が高い。東京の商業地は周囲を住宅地で囲まれているため供給に限りがある。大規模中規模オフィスは特に希少性が高く、小規模ビルのように売却時に価値が毀損するようなことも少ない」とした。また「オフィス価格や賃料はコロナにより上昇率が抑えられたこともあり、今後上昇局面を迎えた時はマンション以上に上がるだろう」と話した。
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