シービーアールイー(株)(CBRE)は28日、2024年第4四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査の結果を発表した。
東京(23区)のオールグレード空室率は3.5%(前期比0.5ポイント低下)と3年ぶりに4%を下回った。新規需要は、過去平均を約2割上回る5万坪に。金融やITなど幅広い業種で、グレードアップや立地改善のほか、自社ビルからの移転などが散見された。
グレードAの空室率は4.2%(同0.8ポイント低下)。前期に続き、23年以降に竣工したビルで複数の大型空室が消化された。1坪当たりの賃料は3万6,450円(同2.0%増)。
大阪は、オールグレード空室率が3.1%(同0.3ポイント低下)と、すべてのグレードで低下した。賃料は1万4,310円(同0.3%上昇)。グレードを問わず全体的に需要は強く、24年の年間新規需要は8.1万坪と調査開始(1993年)以来、最大となった。
グレードAの空室率は4.9%(同0.7ポイント低下)。新規供給物件は、自社ビルからの大型移転事例が複数あったことなどにより高稼働で竣工。さらに、24年上期に竣工した複数の物件でも空室消化が進んだ。グレードA賃料は2万4,150円(同0.4%増)と2期連続の上昇となった。
名古屋は、オールグレード空室率が4.3%(同横ばい)。テナントの選別姿勢が続き、ビルの競争力によって引き合いには強弱がみられた。オールグレード賃料は、1万4,080円(同0.5%上昇)。
グレードAは空室率3.8%(同0.6ポイント低下)と低下。グレードアップ移転などで空室消化が進んだものの、立地が弱い一部のビルでは空室消化に時間が掛かっている。グレードA賃料は2万7,350円(同0.2%上昇)。
地方都市のオールグレード空室率は7都市で前期比低下、3都市で上昇した。立地改善やグレードアップ移転など、テナントの堅調な需要が続いている。オールグレード賃料は10都市中8都市で対前期比上昇、2都市で下落となった。