シービーアールイー(株)(CBRE)は26日、2024年第2四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査の結果を発表した。
東京(23区)のオールグレード空室率は4.1%(前期比0.2ポイント低下)。昨年または前期に竣工した既存ビルを中心に、まとまった空室が消化された。オールグレードの新規需要は過去四半期平均を約2割上回る5万坪と、今期も堅調。今期の賃料はすべてのグレードで3期連続で上昇し、オールグレード賃料は1坪当たり2万1,480万円(同0.5%上昇)となった。昨年以降、空室を抱えるビルは減少し、賃料をコロナ禍前の水準に戻す動きが見られるが、競争力に劣り、空室が長期化しているビルでは賃料を引き下げる動きが続いている。
グレードAの空室率は4.6%(同0.2ポイント低下)。グレードA賃料は3万5,350円(同1.3%上昇)と、当面は緩やかに上昇が続くと見られ、向こう1年間で0.8%の上昇を予想している。
大阪は、オールグレード空室率が3.5%(同変動なし)。オールグレード賃料は1万4,240円(同0.1%上昇)となった。好立地の物件に加え、賃料水準が相場よりやや低い物件で賃料が底上げされた。
グレードAの空室率は6.5%(同0.7ポイント上昇)。新規供給が空室を残したことが上昇の主因となった。グレードA賃料は2万3,950円(同0.2%上昇)と20年第3四半期以来、約4年ぶりに上昇。今後もまとまった供給が続くことから、立地や設備面等で劣る物件で賃料は緩やかな調整が進むと見込んでいる。
名古屋は、オールグレード空室率が5.2%(同0.6ポイント低下)。新規需要は約6,000坪と、過去四半期平均の2倍弱となった。オールグレード賃料は1万3,970円(同0.3%上昇)となり、引き合いの多いビルを中心に募集賃料を引き上げる動きが見られた。賃料はすべてのグレードで2期連続上昇した。
グレードAは空室率が7.1%(同1.7ポイント低下)と大幅に低下した。新規供給が1,000坪超とわずかだった上、新築・築浅の大型ビルを中心にまとまった空室が消化されたことが主因。グレードA賃料は2万7,000円(同0.6%上昇)と、上昇幅が大きく、4期連続で上昇。ただし、今後1年間では横ばいを予測している。
地方都市のオールグレード空室率は、10都市中6都市で対前期比低下、3都市で上昇、1都市で横ばいとなった。横浜、福岡では昨年以降に竣工した複数の大型ビルで、グレードアップや立地改善、拡張移転などでまとまった空室が消化された。オールグレード賃料は10都市中8都市で対前期比上昇、2都市で横ばい。全国的に、現在の相場より賃料水準が低いビルで底上げの事例が散見される。