シービーアールイー(株)(CBRE)は28日、2024年第3四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査の結果を発表した。
東京(23区)のオールグレード空室率は4.0%(前期比0.1ポイント低下)と4期連続で低下した。新規需要は6万坪で、新規供給の5万3,000坪を上回った。複数の新築ビルが空室を残して竣工したものの、築浅の既存ビルを中心に空室消化が進んだ。オールグレード賃料は2万1,620円(同0.7%上昇)となり、すべてのグレードで4期連続上昇。即入居可能な空室は徐々に減ってきており、今期も募集賃料を引き上げる動きが散見された。
グレードAの新規供給は4万3,000坪と同グレードストックの2%に相当するものの、空室率は5.0%と対前期比0.4ポイントの上昇にとどまった。賃料は3万5,750円(同1.1%増)。
大阪は、オールグレード空室率が3.4%(同0.1ポイント低下)。賃料は1万4,270円(同0.2%上昇)と、すべてのグレードで上昇した。各グレードの相場より賃料水準の低い物件で底上げが多く見られた一方、賃料を下げた物件はわずかだった。
グレードAの空室率は5.6%(同0.9ポイント低下)。今年上半期に竣工した複数の物件で空室消化が進んだ。グレードA賃料は2万4,050円(同0.4%増)と2期連続の上昇となった。
名古屋は、オールグレード空室率が4.3%(同0.9ポイント低下)。新規供給がなく、好立地、築浅で競争力のあるビルを中心に空室消化が進んだが、競争力に劣るビルでは空室の発生が目立った。オールグレード賃料は、1万4,010円(同0.3%上昇)。空室消化が進んだビルで募集賃料を引き上げる動きが見られた。
グレードAは空室率4.4%(同2.7ポイント低下)と大幅に低下。新たに発生した空室はわずかで、ITやメーカーなどのグレードアップや拡張移転、分室開設等で、複数のまとまった空室が消化された。グレードA賃料は2万7,300円(同1.1%上昇)。
地方都市のオールグレード空室率は7都市で前期比低下、3都市で上昇した。全国的にテナントの需要は底堅い状況が続き、人材確保を目的としたオフィス環境改善のための移転が活発だった。オールグレード賃料は10都市中9都市で対前期比上昇、1都市で下落した。