(株)矢野経済研究所は13日、国内ビル管理市場に関する調査(2024年)を発表した。全国の有力ビル管理事業者が対象。同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話アンケート調査、文献調査を実施した。調査期間は24年7〜9月。
23年度の市場規模(元請金額ベース)は4兆8,297億円(前年度比5.2%増)。既存ビル管理案件における契約更改時の価格改定が進んでいること、適正な単価水準での新規案件の稼働が本格化していることが市場拡大の要因。
建物使途別に見ると、住宅が約1,874億円(建物使途別シェア3.9%、前年度比5.7%増)、非住宅が約4兆6,422億円(同96.1%、同5.2%増)と推計した。非住宅の内訳を見ると、事務所ビルが市場規模約1兆501億円(同21.7%、同5.6%増)と、ビル管理市場全体の2割を超えた。次いで、店舗・商業施設は約8,693億円(同18.0%、同4.8%増)、医療・福祉施設は約4,960億円(同10.3%、同6.0%増)、工場・作業所は約4,470億円(同9.3%、同4.4%増)、学校施設は約4,418億円(同9.1%、同103.4%増)となった。
一方、24年度の市場規模は4兆9,063億円(前年度比1.6%増)と予測。過去から継続している既存ビル管理案件の契約更改時の価格改定が進み、適正な単価水準での新規案件が積み上がる現状を考慮すると、ビル管理事業者各社の売上規模の拡大傾向が進み、市場全体の底上げも進む見込み。