(一財)日本不動産研究所は11月29日、「全国賃貸オフィスストック調査(2024年1月現在)」結果を発表した。三大都市(東京区部、大阪市、名古屋市)、主要都市(札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、京都市、神戸市、広島市、福岡市)、地方都市(前記以外の県庁所在都市35都市)、計全国47都市を対象に調査した。なおこれまで「全国オフィスビル調査」として発表していたものから調査方法を変更している。
全国47都市における24年1月現在のオフィスビルストックは1万5,139万平方メートル・2万21棟。三大都市では、東京区部が8,460万平方メートル・1万1,089棟で全都市計の56%、大阪市が2,001万平方メートル・2,414棟で同13%、名古屋市が803万平方メートル・1,142棟で同5%と、三大都市に74%が集中している。主要都市では、横浜市727万平方メートル・682棟、福岡市528万平方メートル・784棟、札幌市397万平方メートル・636棟がトップ3で、全都市の20%を占めた。地方都市は35都市で910万平方メートル・1,585棟で、全都市の6%にとどまった。
23年の新築オフィスは全都市計で336万平方メートル・181棟。都市別では東京区部が245万平方メートル・106棟と全都市計の73%を占めた。
竣工年別に見ると、新耐震基準以前(1981年以前)に竣工したオフィスビルのストック量は、全都市計で2,656万平方メートルで、前ストックの18%。都市別では、福岡市(25%)、大阪市(24%)、札幌市(24%)、京都市(23%)、地方都市(21%)の順で新耐震基準以前のストックが多い。
今後3年間(24〜26年)のオフィスビルの竣工予定は、全都市計で869万平方メートル・330棟。東京都区部が528万平方メートルで、全体の61%を占める。以下、大阪市121万平方メートル、福岡市57万平方メートル、横浜市52万平方メートルと続いている。
規模別のオフィスビルストックを見ると、10万平方メートル以上のビルの割合が一番高いのは千葉市(53%)。以下、東京区部(29%)、大阪市(22%)、横浜市(19%)と続く。
5,000平方メートル未満の小規模ビルの割合は、京都市(32%)が一番高く、次に地方都市(30%)。
築後年数別のストック割合を床面積ベースで見ると、東京区部は築10年未満が19%と一番多く、築40年以上は18%と少なくなっており、相対的に新しいビルが多い。この状況は、名古屋市、横浜市、さいたま市も同様の傾向。
一方、大阪市は築10年未満が11%、築30〜40年未満が30%、、築40年以上が26%と、築後年数が古いビルが多く、この傾向は札幌市、仙台市、京都市、神戸市、広島市、福岡市、地方都市で似た傾向が確認できる。千葉市は、幕張新都心が1990年前後に開発が行なわれた影響で、築30〜40年未満のビルが74%と多く、他の都市とは傾向が異なる。