不動産業に携わる女性経営者や実務経験者を中心に組織する(一社)不動産女性塾(塾長:北澤商事(株)代表取締役会長・北澤艶子氏)は28日、明治記念館(東京都港区)で新春セミナーを開催。90名超が出席した。
冒頭挨拶した北澤塾長は、「今年は創業して70周年を迎える。これからも1年1年、その日その日を大切に、不動産業界で一途に生きたいと思っている。“人生100年”は当たり前の時代に。素晴らしいメンバーと共に、100歳まで女性塾を続けていきたい」などと話した。
セミナーでは、(株)センチュリー21・ジャパン代表取締役社長の園田陽一氏が「不動産業における人材について〜センチュリー21の人材戦略」をテーマに講演。2023年12月に実施した加盟店経営者アンケート(回答者400名)の結果を示しながら、経営者の課題は「人材採用」(52.6%)、「人材育成」(34.3%)、「人材定着」(24.3%)であると紹介。「採用は厳しい競争の下にあり、将来その競争はさらに厳しくなる」とした上で、「ペルソナを特定した狭く深い求人を行なう」「最適なメディア(SNS)の選択が必要」「求職者のニーズに沿うタイパ・コスパの良い採用活動を実施する」など採用のポイントを挙げた。
また、「持続的な経営の観点からは、採用以上に“定着”が重要。そのためには『人的資本経営』が鍵となる」と言及。人的資本経営を実行するためには、「社員の“多様性”を大前提に、“労働生産性”向上を目指すことが重要」と話した。
多様性を前提とする経営については、「性別や年齢、学歴など個人の属性に対する先入観にとらわれないこと。働き方改革を正しく活用し、多様な個人が活躍できる環境をつくること。“お互い様”という社内共助意識を尊重すること。この3つを肝に銘じ、実行していくことが必要」(園田氏)。さらに、労働生産性の向上には、「デジタルを毛嫌いせず、積極活用し『人とデジタルの分業』を実現すること。そして、働く時間と場所に選択肢のある、個人の能力発揮にふさわしい環境をつくる。その上で、情報共有、意思疎通、学習機会を増やしていくことが有効」と締め括った。