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住宅の不満率、10年間ほぼ横ばい/国交省

2025.02.03
業界関連

 国土交通省は31日、「令和5年住生活総合調査」結果(速報集計)を発表した。


 住宅および居住環境に対する居住者の満足度や今後の住まい方の意向等を総合的に調査し、住生活の安定・向上に係る総合的な施策を推進する上で必要となる基礎資料を得ることを目的としている。5年周期で実施。対象世帯数は12万2,537、回収世帯数は7万2,723。


 住宅・住環境に対する評価は、「満足」が22.5%(平成30年調査比0.4ポイント上昇)、「まあ満足」が55.4%(同0.5ポイント低下)、「多少不満」は18%(同0.4ポイント低下)、「非常に不満」は3.2%(同0.1ポイント上昇)。多少不満と非常に不満を合わせた不満率は21.2%(同0.3ポイント低下)で、平成25年からの10年間では不満率は微減しているものの、ほぼ横ばいで推移している。
 持ち家・借家別でみると、持ち家は不満率19.8%(同0.1ポイント低下)、借家は不満率24.9%(同0.3ポイント低下)。いずれも10年間、ほぼ横ばいで推移している。
 住宅の不満率について個別要素ごとに見ると、「高齢者への配慮(段差がない等)」が43.4%と最多。次いで、「断熱性」41.1%、「エネルギー消費性能」(光熱費の節約)」39.7%、「地震に対する安全性」38.4%が続いた。


 住宅および居住環境に関して重要と思う項目については、「最も重要」を見ると「広さや間取り」が11.8%で1位。「最も重要」と「次に重要」を足し合わせると、「日常の買物などの利便」40.3%、「治安」36.1%、「医療・福祉・介護施設の利便」27.1%の順。


 最近5年間で実施した住み替え等の理由については、「世帯からの独立(結婚、離婚、単身赴任などを含む)」が13.2%と最も多く、次いで「転勤や転職(定年などを含む)」が6.9%、「就職や転職」が6.5%となった。


 今後の住み替えについては、19.6%の世帯が「意向がある」とした。現在の所有関係別の住み替え後の居住形態については、現在持ち家に居住する世帯は「持ち家に住み替え」が47.8%で最も多く、「借家に住み替え(施設を含む)」は15.8%となった。現在借家に居住する世帯は「借家に住み替え(施設を含む)」が44.3%とトップで、「持ち家に住み替え」は30.1%だった。


 持ち家への住み替え後の居住形態(新築住宅・既存住宅別)については、現在持ち家の世帯は「新築住宅」43.2%(同5.2ポイント減)、「既存住宅」33.1%(同4.9%ポイント増)、「特にこだわらない」23.7%(同10.1%ポイント増)と、既存住宅が増加。現在借家住まい世帯も、「新築住宅」53.4%(同2.4ポイント減)、「既存住宅」23.6%(同9.6ポイント増)、「特にこだわらない」23.0%(同7.2ポイント減)となった。


 住み替え意向がある世帯のうち、既存住宅の購入を希望する世帯の既存住宅取得の際の条件を見ると、「希望する立地であること」が55.7%が1位。次いで、「希望する広さや間取りであること」16.9%、「耐震性や断熱性など、一定以上の性能が確保されていること」8.8%。

出典:最新不動産ニュースサイト R.E.port ©1997 株式会社不動産流通研究所

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