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リースバックや引取サービスの安全性向上へ

2026.02.27
業界関連


リースバックや引取サービスなどの新たな形態の不動産取引に注目するコメントが多かった


 国土交通省は26日、社会資本整備審議会産業分科会不動産部会(部会長:中城康彦明海大学不動産学部長)の会合を開き、2019年に策定した「不動産業ビジョン2030〜令和時代の『不動産最適活用』に向けて〜」に基づく取り組み状況や今後の方針について意見交換した。


 この日の会合では、同ビジョンにおいて「2030年に向けて重点的に検討を要する政策課題」と位置付けた10項目のうち、特に対応の必要性の高まりや施策の進捗があった項目について同省が説明。具体的には(1)安全・安心な不動産取引の実現、(2)増加する外国人・グローバル化への対応、(3)技術革新・業務効率化、(4)ストック型社会の実現、(5)地方創生・エリア価値向上の5項目について、近年の取り組みや今後の施策の方針等を紹介した。


 (1)では、リースバックや有償引取サービスといった新しい形態の不動産取引が登場したことを受け、不動産取引の安全性向上に向けて、事業者・消費者双方の視点から横断的な検討が必要だとした。


 リースバックについてはトラブル件数が増加している現状を踏まえて対策を急ぐべきだと判断。宅建業者が順守すべき具体的な事項について、ガイドラインを策定する方針を固めた。ガイドラインは宅建業法47条に基づき、告知する必要がある具体的事項を明示する。また、消費者向けのより実践的な啓発資料を消費者庁との連携によって作成する。
 有償引取サービスについては、宅建業法の範疇外ではあるものの、長期的には規制や市場構築の必要が指摘されていることから、事例収集と分析を通じて適正・効果的に事業を遂行するためのノウハウや事業効果等を周知していく。さらに、取引の安全性向上や引き取られた不動産の適正管理の確保に向けて、事業者団体のガイドライン策定を支援していくという。
 不動産コンサルティングに関しても、24年6月の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」に関する通達によって、媒介報酬とは別に不動産コンサルティング業務に関する報酬を受け取ることができるようになった。ただし、媒介業務とコンサル業務の境界の明確化の必要性が指摘されていることもあり、(公財)不動産流通推進センターに置いた「良質な不動産コンサルティングの普及・定着に向けた検討委員会」において整理・検討を実施。報酬算定の方法や基本的な考え方について広く周知・啓発していく。


 また、(2)では外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた不動産業の取り組み等、(3)は不動産DXや不動産ID、(4)では、マンションストックの適正管理と再生の促進や賃貸住宅管理業のあり方等、(5)では「不動産業による空き家対策推移プログラム」に関する取り組みと今後の方針が報告された。


 こうした現状と方針の報告に対して、出席した委員からは、「リースバックや引取サービスについては、今後の人口減少社会においては必要になってくると考えられる。一部によるトラブルで全体の信頼を損なうわけにはいかない。業務適正化を図っていくべきだ」「『負動産』が増えていく中で、『負の価値』のマーケットをつくっていく必要はある。適切な管理確保のため、どのような管理コストが必要になるのかを検討してほしい」「家の処分に関連してリースバックや有償引取サービスに関心を持つ人は増えている。気軽に相談ができる窓口や取引後のフォローについても検討すべきでは」など、不動産取引の安全性向上に関するコメントが多く挙がった。

出典:最新不動産ニュースサイト R.E.port ©1997 株式会社不動産流通研究所

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