(株)東京カンテイは30日、2025年度の首都圏既存マンションの売出価格と取引(成約)価格の価格乖離率を公表した。
同社データベースに登録されている既存マンションの売出価格と成約価格の差額から算出。売り出しから成約まで12ヵ月以内の物件を対象とした。乖離率がプラスになることはごくまれであるため、マイナスになるケースのみを対象としている。
25年上期は売出価格の平均が5,407万円だったのに対して、成約価格は5,075万円と価格乖離率はマイナス6.14%と、前期から1.95ポイントと大きく拡大した。25年下期については売出5,640万円・成約5,289万円の乖離率マイナス6.22%とさらに拡大した。売り出しから成約までの期間(成約期間)については、25年上期は4.74ヵ月(同0.37ヵ月短縮)、下期は4.48ヵ月とさらに縮んだ。
24年は価格上昇基調の不動産市場を反映し、売り主が強気の売出価格を設定。さらに長期に成約しなくても「価格調整せずに成約まで待つ」姿勢を取ることが多かったことから、乖離率は15年以降最低のマイナス4%台前半、成約期間は最長の5ヵ月台となっていた。同社では「25年度に入って一部エリアでの調整局面突入や金利先高観の強まりによって、売り主が成約を優先して価格調整・条件変更に応じ始めたと考えられる」と分析する。
さらに、成約期間別に乖離率を算出すると、24年は12ヵ月かかった場合でもマイナス4.69%だったが、25年度についてはマイナス12.72%と例年並みの水準に戻った。1ヵ月以内で成約した場合の乖離率はマイナス2.37%。値下げすることなく成約したケースが49.6%と約半数、マイナス5%未満が約3割に上っており、「適正な値付けが行なわれていれば、短期間で成約できており、不動産流通市場全体が停滞しているというわけではない」(同社)という。このほか、3ヵ月以内の乖離率はマイナス5.48%、6ヵ月以内がマイナス8.24%、8ヵ月以上はマイナス10%超。10ヵ月を超えると、20%以上値下げしたケースが25%以上となった。